北九州市で見つかった初代門司駅の遺構について、武内市長は21日、一部を現地で保存することを記者会見で明らかにした。

北九州市門司区では去年、明治時代に開業した旧門司駅の遺構が見つかったが、市は周辺の公共施設が老朽化しているなどとして、現地に複合公共施設を建設する計画だ。

武内市長は、「議会の議決に従い、着実に進めてきた。遺構をどのように後世につないでいくのか検討した結果、市民の安全安心を守り記憶をつなぐ5つの方策をとりまとめた」として、以下の5つを発表した。

・遺構の一部存置(そのまま残す)
・遺構の一部取出し展示(折尾駅方式)
・遺構の丁寧な記録保存
・公共施設内に展示コーナーを設置(デジタルも活用)
・子どもが学べる素材の作成

その上で「さまざまな意見を踏まえ、市として最大限、何ができるか悩みながら検討を進め、工事に大きな影響を与えることなく、設計内容を変更することなく、遺構の一部分を残すことにしたい」と述べた。

遺構をめぐっては、市民団体のほか、世界遺産の認定などに関わるユネスコの諮問機関、イコモスが今年9月に警告文の「ヘリテージ・アラート」を出して保存を求めていた。
しかし、市は「これまでの内容を超えるような発見はない」として15日から造成工事を始め、11月末にも遺構の取り壊しに着手するとしていた。

市によると、これまでは遺構の全面的な取り壊しも検討していたということで、一部を現地に保存する方針に切り替えた形だ。

(FBS, FNN, NHK, KBC 2024/11/21 配信)