北九州市門司区のJR門司港駅周辺で出土した初代門司駅(1891年・明治24年開業)の関連遺構を巡り、市は19日、8月から実施している追加の発掘調査の現地説明会を開いた。

遺構は、市が現地で計画する複合公共施設の建設に伴う昨年の発掘調査で、初代門司駅の機関車庫の基礎部分などが確認されていた。

説明会では、新たに発掘された明治、大正期の荷物上屋や倉庫のものとみられる基礎、西洋の技術を使用したとみられる「布基礎」などが公開された。

市は昨年発掘したエリアの周囲約770平方メートルを対象に追加調査を行い、記録保存した上で、11月中に終える見通し。
今年度中にも複合公共施設の建設工事に着手する予定だ。

今回が最後となる説明会は、午前午後の2部制で市民計約250人が参加した。

遺構をめぐっては、ユネスコの諮問機関のイコモスが重要な歴史的価値がある「ヘリテージ・アラート」と呼ばれる警告文を出している。
国内組織の副委員長、溝口孝司・九州大教授(考古学)も説明会に参加し、「新たに出土した構造物は、明らかに未調査の地区に続いている。さらなる発掘が必要だ」と指摘し、保存に向けた対応を求めている。

同日、市民団体が意見交換会を開き、遺構の価値や施設との共存について意見を交わした。

(朝日新聞デジタル, 福岡 NEWS WEB, KBC朝日放送, 読売新聞オンライン, 東京新聞web 2024/10/19 配信)