今月18日開かれた日米韓首脳会談後の共同声明では、覇権主義的な動きを強める中国を念頭に、経済安全保障での連携強化を打ち出した。
重要物資のサプライチェーン(供給網)断絶や停滞に備える「早期警戒メカニズム」の試行で合意。
最先端技術の流出防止や輸出規制でも連携する方針を確認し、「結束」を強調した。
また、日本人や韓国人らの拉致被害者、抑留者、未帰還の捕虜について「問題の即時解決」に協力して取り組んでいくことが共同声明に明記された。
バイデン米大統領は歴史を鑑み、北朝鮮による日本人拉致問題について「我々は忘れず、諦めず、解放を求めていく」と語ていた。
会見の質疑からは、3首脳が、今回の日米韓の連携強化は、それぞれの国と地域・世界情勢の安定につながると強く考え、それを国内での実績にしたい意向も伺えた。
一方で、連携の強化が本当に効果をあげるのか、国民に具体的なメリットとして伝わるのかという疑問が記者の質問を通じて見え隠れし、首脳と国民の意識のギャップを浮き彫りにした。
この会談において、日米韓は首脳や閣僚級など各レベルでの協議を定期開催することで合意した。
経済安保強化へ具体策を示せるか、あるいは実践できるのか、岸田文雄首相が語る「日米韓パートナーシップの新時代」の成果が試される。
(JIJI.COM、FNNプライムオンライン、朝日新聞デジタル、毎日新聞 2023/8/20 配信)