任期満了に伴う沖縄県知事選が11日投開票され、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先となる名護市辺野古の新基地建設反対を掲げた無所属現職の玉城デニー氏(62)=立憲、共産、れいわ、社民、沖縄社会大衆推薦=が、前宜野湾市長の佐喜真淳氏(58)=自民、公明推薦=らを破り、再選した。

名護市辺野古移設の是非が最大の争点で、移設に反対する同勢力側の当選は3回連続となった。
容認を明確に打ち出した自公政権に移設ノーの民意を突きつける結果となったが、政府は移設方針を堅持し、工事を進める考えだ。

岸田政権はなお建設に固執するが、辺野古沖では海底の軟弱地盤が見つかり、完成・引き渡しまでは早くても2030年代半ばと政府は認めており、普天間の「一刻も早い基地負担軽減」という主張の正当性は失われているのが実情だ。

基地問題だけではなく経済振興も、実現のプロセスや財源の裏付けなど、具体的に説明することはなく説得力を欠いた。
告示前には、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体の会合にかつて参加していたことが判明して政権への反発が強まり、公明支持層を含め、不信感を払拭できなかった。
地元の民意が繰り返し示される中、民主主義のあり方も問われている。

知事選の当日有権者数は116万5610人、投票率は57・92%(前回63・24%)だった。

(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、東京新聞 2022/9/12 配信)