政府は21日午前、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事の設計変更を県に申請した。埋め立て予定海域の大浦湾側で見つかった軟弱地盤強化の追加工事などに伴い、政府が2022年度を目指していた普天間移設は30年代以降にずれ込む。政府は新たな工期を約12年と見込み、埋め立てに要する7200億円を含めて総工費9300億円と試算した。

玉城知事は承認に応じない姿勢のため、政府が訴訟に踏み切れば、対立が激化して新たな裁判闘争に発展し、さらに長期化する可能性が高い。

その後、防衛省が2014年11月~15年3月に発注した護岸などを造る工事6件について、軟弱地盤による設計変更を理由に完成前に打ち切っていた。うち5件は本体工事の着手前だったが、契約金の7割強にあたる約302億円が支払われた。識者は公金の二重支出となる可能性を指摘している。

5月1日には、自民党沖縄県連が沖縄県議選(6月7日投開票)で掲げる公約案に、争点の米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について「容認する」と明記したことが判明した。政府と交渉し、基地負担を大幅に軽減するとも強調した。近く県連が正式決定する。


(参考:朝日新聞デジタル 4/21、5/1 沖縄タイムスプラス・琉球新報 4/21、毎日新聞 4/22 中日新聞5/2 配信)