3ヶ月以上前になりますが、不可解なことが起こりました。
2017年末の12月27日、突然、韓国政府が2015年の日韓合意を見直すと発表しました。
なぜなのでしょうか。
理由を「日本軍『慰安婦』問題解決のために行動する会・北九州」の野口千恵子さんに伺いました。
すると、政権交代した韓国政府が一番問題にしているのは、
「合意過程で元慰安婦の方々の意思がしっかり反映されていない」ことに尽きると。
当事者である被害者の気持ちを考慮しない、国家間だけの合意だったと
現在の文在寅政権はとらえたのです。
野口さんらが行動を共にする「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動」(共同代表 梁澄子)は、
さらに下記を訴えています。
まず、日韓合意は下記の3点で国際人権の基準を満たしてないこと。
すなわち、
・「(日韓合意は)被害者/サバイバーの見解を十分に考慮し、
彼女たちの真実・正義・被害回復措置に対する権利を保障すること」を勧告した
女性差別撤廃委員会の最終所見(2016年3月7日)
・「(日韓合意は)重大人権侵害に関する国家責任の基準に合致していない。
過去の日本政府と軍部の明らかな責任を認める、明確で公式な謝罪と適切な賠償が
被害者たちを保護し、真実と正義を守ることができる」とした国連人権専門家らによる
共同声明(2016年3月11日)
・「合意の見直し」を韓国政府に勧告した拷問禁止委員会の最終所見(2017年5月12日)
以上の3点は、合意文書もなく、両国外相の口頭発表のみで決した合意を守ろうとする
日本政府の姿勢を問うものであるとしています。
さらに、合意後も安倍首相が、具体的かつ正しい事実認識の表明もないまま、
謝罪の誠意すら見せてなく、むしろ「慰安婦」問題を終わらせるための合意だと
振舞っていることを危惧していること。
それゆえ、被害女性たちは自発的で心のこもった謝罪を願っているため、
韓国政府はさらなる措置を要求しているわけではないこと。
加害国日本は、外交問題の勝ち負けとして捉えるのではなく、加害国としてアジア諸国、
すべての被害女性たちに対して誠実に応えて再発防止に大きく貢献することを望んでいるとし、
最後にこう結んでいます。
私たちは、日本政府が、かつて日本軍の性暴力の被害に遭った全ての女性たちの被害回復のために、
国際基準に則って、真実を認め、心から謝罪し、記憶・継承していくことを強く求める。