1942年に山口県宇部市の海底炭鉱「長生炭鉱」で発生した水没事故では、朝鮮半島出身者136人を含む計183人が犠牲となりました。遺骨収容に取り組む市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」は12月23日、国会内で政府担当者と面会しました。団体側は、今年8月に発見された遺骨の身元を特定して遺族に返還できるよう、日韓政府共同によるDNA型鑑定の早期実施を求めています。

来年1月下旬に予定される日韓首脳会談での議題化を要望する一方で、団体側は、来年2月までに政府による鑑定の進展がない場合、既に保有する83人分の遺族データを活用して独自に鑑定を開始する方針を明らかにしました。これに対し、警察庁や外務省は、日本警察での鑑定実施について韓国側と意思疎通を図っていると説明しましたが、具体的な実施時期については明言を避けました。また、厚生労働省は安全性への懸念から、調査や収容の支援について従来の慎重な姿勢を繰り返しています。

団体は2026年を「必ず遺骨を遺族に返す年」にする決意を表明しています。来年2月には大規模な遺骨収容に向けた潜水調査を予定しており、ひとりひとりの遺骨を大事にしながら収容に励むとしています。

(朝日新聞、毎日新聞、TBS NEWS DIG 2025/12/23,24)