韓国の禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は12月8日、ソウルで水嶋光一駐韓国大使と会談しました。禹議長は、戦時中の水没事故により朝鮮半島出身者を含む183人が犠牲となった山口県宇部市の海底炭鉱「長生炭鉱」における遺骨収集を巡り、日本政府に対し協力を呼びかけました。

禹議長は、遺骨のDNA鑑定への協力や、海底での収集作業のための安全確保など、政府レベルでの支援策を前向きに検討するよう要請。この対応は韓日関係の発展に貢献するだろうと述べました。長生炭鉱では日本の民間団体が人骨を回収していますが、調査には安全性の課題があり、日本政府による対応は進んでいない状況です。

また禹議長は、首脳間のシャトル外交を評価しつつ、自身も近く日本を訪問し、衆参両院議長や日本の指導者らと「韓日関係の未来志向的な発展」について率直に議論したいとの意向を伝えました。水嶋大使は、禹氏の訪日希望を歓迎。両氏は、外交・安全保障に加え、経済や文化など幅広い分野で日韓が国際課題に協力する重要なパートナーであるとの認識を共有しました。

(朝日新聞、日本経済新聞、共同通信 2025/12/8配信)