山口県宇部市の旧長生炭鉱で2025年8月25日、1942年(昭和17年)の水没事故で犠牲となった183人の遺骨とみられる骨が発見され、警察に引き渡された。この事故では、朝鮮半島出身者136人を含む多くの命が失われ、遺骨は80年以上海底に残されたままだった。

「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」などが進める日韓潜水調査の最中、韓国のダイバー2人が、海に突き出た排気筒(ピーヤ)から坑道内へ進入。水深43メートルの主坑道の土砂の中から、大腿骨とみられる3本の骨(最長約42cm、他に約30cm、約20cm余りのもの)と複数人分のブーツのようなものを見つけた。ダイバーからは「近くに3人分のブーツが落ちていた。4人のご遺体を確認した」との報告もあった。

これまでの調査で発見された骨は人骨ではないと判明していたが、今回は犠牲者の遺骨である可能性が高く、警察が確認を進めている。同会の井上洋子共同代表は「長い間待っていた遺骨に出会え、感無量」「遺族にとって記念すべき日」と語った。調査は26日も継続される予定で、遺骨収集と遺族への返還が目指されている。

(毎日新聞、KRY山口放送、tysテレビ山口, NHK 山口 NEWS WEB 2025/8/25 配信)