山口県宇部市の長生炭鉱で1942年に発生した水没事故で犠牲となった183名(日本人と朝鮮半島出身者を含む)の遺骨収集を目指す潜水調査が4月1日から4日間行われたが、遺骨は発見されなかった。
市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の依頼を受けたダイバーは、当初炭鉱の入り口である「坑口」から調査を試みたが、木材などの障害物に阻まれ、遺骨があるとされる地点まで到達できなかった。
その後、調査は海岸から約300メートル地点にある排気筒「ピーヤ」からの潜水に切り替えられた。
ダイバーの伊左治佳孝さんによると、「ピーヤ」内部には金属パイプや木材などの崩落物があるものの、これらを除去すれば奥に進める可能性があることがわかった。
今回の調査には初めて韓国人ダイバーも加わり、伊左治さんらは「ピーヤ」からの調査が最も安全で確実性が高いとの見解を示した。
市民団体は6月にも「ピーヤ」からの潜水調査を予定しており、それまでにクレーン船などを使い、「ピーヤ」内部の障害物を取り除く工事を行う計画だ。
韓国遺族会のヤン・ヒョン会長は複雑な心境を語り、市民団体の井上洋子共同代表は活動継続の決意を表明した。
同会は資金調達のためクラウドファンディングも行い、今後は政府への働きかけも視野に入れている。
(NHK山口 NEWS WEB, yab山口朝日放送, KRY山口放送, 読売新聞オンライン 2025/4/4 配信)