山口県宇部市の長生炭鉱で1942年に起きた水没事故で犠牲となった183人の遺骨を収容するため、市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が潜水調査を実施したが、遺骨は発見されなかった。
犠牲者の多くは朝鮮半島出身の労働者で、事故後、坑道は閉鎖され、遺骨は海底に残されたままとなっている。
市民団体はクラウドファンディングで資金を集め、2024年10月と2025年1月末から3日間にわたって潜水調査を実施した。
ダイバーが坑道内を探索したが、遺骨は見つからず、木製の輪などの炭鉱で使用されていたと思われるものを回収した。坑道の奥は崩落している可能性があり、排気口からの進入も検討されている。
市民団体は、この4月には韓国のダイバーも参加して再度潜水調査を行う予定と公表した。
遺族は遺骨の返還を強く望んでおり、日本政府に責任ある対応を求めている。市民団体は、国の責任による調査と遺骨収容を求めているが、政府は水没事故の犠牲者を戦没者遺骨収集推進法の対象外としている。
(NHK山口 NEWS WEB, yab山口朝日放送, 毎日新聞, 読売新聞オンライン 2025/2/2 配信)