戦時中に大規模な水没事故(水非常)が発生した山口県宇部市の海底炭鉱「長生炭鉱」で、31日、民間のダイバーが潜水調査を行い、遺骨の回収に向け内部の状況を調べた。
1942年に起きた事故では、朝鮮人を含む183人が犠牲になった。
犠牲者の大半を占める朝鮮半島出身者の遺族を招いて追悼式典を続けている市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」は、陸地にある坑口を開けるための資金集めを始めた。
今回の潜水調査によれば、海中から突き出た排気口「ピーヤ」の内部にある様々な残骸を取り除き、陸側の坑口を見つけるのは可能と推測している。
同会によると、戦後処理で、こうした土地は特別の事情がない限り自治体が所管するものとされたが、市は登記手続きをとっていない。
同会は戦前の登記上の所有者である地元の任意団体と市に伝えたうえで、9月には掘り起こし作業に入り、10月に坑口を開けたい考え。
費用は坑口を開ける作業に650万円、調査に150万円を見込み、800万円をクラウドファンディング(CF)で10月13日まで募っている。
アドレスは、https://for-good.net/project/1000940
(TBSニュース, 共同通信, 朝日新聞 2024/7/31 配信)