16日、福岡県北九州市議会の建設建築委員会で、北九州市が追加で実施した旧門司駅関連の遺構の調査などについて報告された。

去年、北九州市門司区の公共施設建設予定地で見つかった遺構は、明治時代の1981年に開業した旧門司駅の機関車庫の基礎部分などとみられ、現地保存を求める声が一部の専門家などからあがっている。

北九州市によると、今回の試掘では線路が敷かれていた跡とみられる黒色の砂利や枕木などが見つかったが、その付近の700平方メートル余りの敷地で7月から発掘調査を行った上で記録保存を行う方針を示した。

この調査や記録保存にかかるおよそ3000万円は今年度の補正予算案に盛り込まれ、6月の定例市議会で審議される見通し。

同日開かれた市議会の常任委員会において、市は承認されれば7月にも着手したいと報告した。

これに対し、委員からは「専門家の意見を踏まえるべき」「調査範囲を広げるべき」などの指摘があった。

市は、先月から建設予定地に近い門司区の自治連合会などに説明会を開いて理解を求めており、今月下旬から来月上旬にかけて一般市民に間口を広げて事業説明会を行なう。

この遺構をめぐっては、15日、住民団体のメンバーが市に遺構の現地保存を求める1300人余りの署名を提出。
日本イコモスは文化的資産が危機に直面した際に出される「ヘリテージ・アラート」をユネスコの諮問機関・イコモスに求めており、複数の学識経験者なども国の史跡に値するとして現地保存を求めている。

(NHK Web、KBC、TNC 2024/5/16 配信)