文部科学省は29日、令和5年度から高校で使用される教科書(主に4年度入学の2年生用)の検定結果を公表した。
検定結果では、戦前、戦中の日本による周辺諸国への加害をめぐり、国の見解に沿う内容が鮮明になった。
根拠となった閣議決定は昨年4月27日、検定申請締め切りは同年5月中旬だった。
各教科書会社とも既に編集を終えていたため、検定基準が近現代史で政府見解がある場合はそれに基づく記述を求めるためだが、「従軍慰安婦」の用語などに関する閣議決定が拍車をかけ、検定意見を受け修正する形となった。
答弁書には、朝鮮半島出身労働者に関する「強制連行」や「連行」のほか、「従軍慰安婦」の表現が不適切だとしていた。
学校現場には、自国への主権・人権侵害に関する意識低下など「特定の見解の押し付けだ。検定制度の形骸化につながり、自主規制が進む心配がある。」と教育の多様性が損なわれることを懸念する声がある。
(東京新聞、JIJI.COM、産経新聞 2022/3/30 配信)