韓国の元従軍慰安婦ら20人が日本政府に損害賠償を求めた第2次訴訟で、ソウル中央地裁は21日、国家は外国の裁判権に服さないとする国際法上の「主権免除の原則」を認め、原告の訴えを却下した。

同地裁は1月、別の元慰安婦ら12人による第1次訴訟で日本政府に1人あたり1億ウォン(約970万円)ずつ賠償するよう命じており、司法の判断が分かれた。


日本政府は主権免除の原則の立場から、公判には一度も出席していない。

1月の元慰安婦訴訟の判決をめぐっては、日本政府が賠償の支払いに応じない構えのため、原告が韓国内にある日本政府の資産差し押さえを検討している。

しかし、同地裁は20日までに、訴訟費用確保のための日本政府の資産差し押さえを「国際法違反の恐れがある」として認めない決定をした。


慰安婦問題の最終解決をうたった15年日韓合意の有効性にも言及した。
合意に基づいて設立された「和解・癒やし財団」から原告20人のうち9人が支援金を受け取っており、「救済手段」になっているとの認識を示し、差し押さえを認めない理由に挙げた。
賠償手続きでも差し押さえは認められない可能性が高いとみられている。


今回の判決は外交努力を求めているが、日本側は韓国側の対応を注視。
韓国政府も具体的な動きをみせておらず、問題解決になお時間がかかる可能性がある。


(参考:朝日新聞・日本経済新聞・毎日新聞2021/4/21, 東京新聞2021/4/22配信)