アメリカ軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添市移設を巡って沖縄県と那覇市、浦添の両市は、代替施設を浦添ふ頭地区北側に配置することで事実上、合意した。
那覇軍港の移設では、埋め立てる海域をめぐり、移設先の浦添市と沖縄県などとの間で折り合わず、協議が続いていた。
名護市辺野古の新基地建設と同じ県内での「たらい回し」との批判もある。
那覇軍港の浦添市移設で、基地機能が強化される恐れは拭えない。
基地機能が現在の範囲内にとどまる確約はなく、移設予定地の水深は現在の施設よりも深く、入港できる船の規模が大きくなる可能性は高い。
紆余曲折(うよきょくせつ)の中で移設問題を取り巻く環境も一変した。
今後、3者は経済振興の観点から移設を進める考えだが、玉城知事の支持者をはじめ県内移設には反対が根強く、議論が加速する見通しでも課題は山積している。
移設反対を掲げて2013年に初当選した浦添市の松本市長は、その後受け入れに転じ、リゾート開発の妨げになるとして「南側案」を主張していた。
しかし、今月4日、沖縄防衛局から関係自治体に「防衛省、国土交通省、米軍との協議で、南側案は技術的に選択することはない」と伝えられており、菅官房長官は25日午前の記者会見で「浦添市長としては、重い判断をされたものと承知している」と述べた。
(参考:朝日新聞・沖縄タイムス8/19, 琉球新報8/24, NHK WEB・産経新聞8/25配信)