韓国の元従軍慰安婦、李容洙(イヨンス)さん(91)が支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」の活動や募金の使途を批判したことが波紋を広げている。
告発をきっかけに被害者と支援団体の内紛が表面化。
正義連は17日までに、寄付金を原資に「元慰安婦の憩いの場」として建設した建物の管理を団体前代表の父に任せ、管理費などの名目で2014~20年に計約7500万ウォン(約650万円)を支給していたと明らかにした。
団体は親族を管理人としたのは配慮が足らなかったと謝罪したが、ずさんな運営に絡む疑惑が噴出している。
元慰安婦の告発者は日本大使館前の抗議集会も批判した。
正義連の前身は1990年に設立された「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)。
元慰安婦の権利を擁護し、日本政府の全面的な謝罪と賠償を求める活動を展開してきた。
告発の背後には、4月の総選挙に革新系与党から出馬して初当選した尹美香(ユンミヒャン)前代表への不信感もちらつく。
一方、総選挙で大敗した保守系勢力は尹氏の批判を強めるなどして、慰安婦問題解決で「被害者中心主義」を貫く文在寅(ムンジェイン)政権の支持勢力に揺さぶりをかけている。
検察は渦中の前団体トップに対する捜査に着手した。
(参考:西日本新聞 5/14、東京新聞 5/17、JIJI.COM・Newsweek 5/18 配信)