米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画をめぐり、防衛省沖縄防衛局は25日、辺野古沿岸部の新たな海域に埋め立て用土砂を投入すると沖縄県に通知した。
2月の県民投票で埋め立て反対が7割を超えたことを踏まえ、玉城(たまき)デニー知事は安倍晋三首相との2回の会談で移設工事の中止や県との協議に応じるよう求めたが、政府は拒否して既定方針通り埋め立て海域の拡大に踏み切る。
昨年12月に続く2カ所目の海域での埋め立てへの着手となる。
一方、軟弱地盤が見つかった東側の区域では、地盤を強固にする改良工事に3年8か月程度かかると試算されており、政府は改良工事と埋め立て作業を並行して進めるなどして工期の短縮に努め、普天間基地の返還時期が大幅にずれ込むことを避けたい考え。
これに対して玉城知事は設計変更の承認申請を認めない構えで、東側海域にある移植対象のサンゴ類についても県から移植の許可が得られる見通しは立っていない。
辺野古の海の原状回復はますます難しくなり、政府と県の溝は深まることは避けられない情勢だ。