防衛省は3日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、 埋め立て予定海域で14日に土砂投入を開始すると県に文書で通知した。

3日午前から、埋め立て用の土砂を地元企業の桟橋から輸送船に積み込む作業を始めたことも発表した。

 

これに対し玉城(たまき)デニー知事は「辺野古に反対する民意が繰り返し示される中で 違法に土砂投入を行うことは断じて許されない。甚だ遺憾だ」と記者団に表明。

土砂投入に突き進む政府の強硬姿勢に、地元の反発が強まるのは必至であり、辺野古移設の賛否を問う来年2月の県民投票を前に、政府と県の対立が激しくなっている。

 

防衛省沖縄防衛局は3日、沖縄本島西海岸にある名護市安和(あわ)の民間会社 「琉球セメント」の桟橋で土砂を船に積み込む作業を始めた。

今後、東海岸にある移設工事現場へ運ぶ。

 

ただし、「琉球セメント」は県国土交通省所管公共用財産管理規則で必要とされる工事完了届を、3日午後3時半に県北部土木事務所に提出したが、午前中にすでに作業に着手していたため、県は規則違反と指摘している。

また、玉城知事は桟橋内に千平方メートル以上の土砂を堆積する場合は県赤土等流出防止条例の事業行為届出が必要だが、同社から届け出がないとして作業を一時停止し、提出するよう指導したことも明らかにした。

届け出があった場合は県が内容を審査する45日間は事業を止めなければならず、審査結果によっては県が中止を命令できる。

 

一方、防衛局は3日午前、県赤土等防止条例に基づき、埋め立て予定日の変更通知を県に提出した。 政府には県民投票前に埋め立てを既成事実化する狙いがある。 防衛省関係者は「土砂の投入が始まれば後戻りはできなくなる」と指摘。

来年2月24日の県民投票投開票まで2カ月あり、政府関係者は「それまでに埋め立てはかなり進む」と見込んでいる。

 

(参考:朝日新聞・毎日新聞12月3日、沖縄タイムス12月4日配信)