大分県の二日市具正副知事は22日、防衛省九州防衛局(福岡市)で三貝哲局長と面会し、
12月に陸自日出生台演習場(由布市など)で訓練を行わないよう要請書を提出しました。

 

この前後に報道された、12月に予定されている大分県における日米共同演習に関する概要は下記のとおりです。

 

大分県では、12月7日から13日間、九重町や玖珠町などにまたがる陸上自衛隊の日出生台演習場など2か所で日米共同訓練が行われ、このうち日出生台演習場ではアメリカ軍の輸送機、オスプレイ2機を使った訓練が2日間にわたって行われる予定です。

 

オスプレイを巡っては、昨年8月に大分空港に緊急着陸したほか、国内外で事故が相次いでいて、安全性が不安視されています。

なし崩しで新たな負担を強いられる地元住民からは怒りと不安の声が噴出しています。
県や地元自治体も「安全性が確保されていない」としてオスプレイの訓練を反対しています。

 

一方、十文字原演習場がある別府市や日出町は20日、日米共同訓練の対策本部を設置し、
関係機関との連絡や情報収集、住民の問い合わせに対応しています。

 

これに対し、防衛省は「安全性は確保されている」と主張し、地元との調整がないまま訓練の発表に踏み切りました。

 

この状況下で、二日市副知事は要請のあと、「再三、訓練を行わないよう要請しているにも関わらず、直前に実施が伝えられ、大変遺憾だ」と話したと報道されています。

 

果たして、内実はどうなのでしょうか。

 

地元の保守議員は、「広瀬知事は同演習の反対を訴えているが、あくまでもポーズだろう。広瀬知事は、前回の選挙で『県民党』を掲げて当選しており、無抵抗でオスプレイの飛行を容認すれば、県民の支持が離れてしまう。最終的には容認するはずであり、沖縄のような事態になることはない」と話しています。

 

今回の日米共同演習反対を訴える関係者は、「今回、オスプレイの使用を許容すれば、今後、毎年、オスプレイが日出生台に来ることになる」とし、日米共同演習でのオスプレイ使用の恒常化を危惧しています。

 

また、同関係者は、「広瀬大分県知事や地元6市町(別府市、由布市、杵築市、九重町、玖珠町、日出町)の長は『了解できない』として防衛局に抗議しているが、1999年に初めて日出生台での米軍演習を受け入れた時も、県は最初こそ反対したが、最終的には、『国の専管事項であり、如何ともしがたい』として米軍演習を受け入れた過去がある。今回の県などの抗議も最終的に受け入れるための布石に見える。そうならないよう、今後、県や防衛局に対して同訓練の中止を求めていく」と話していました。

 

(参考:毎日新聞、西日本新聞)