韓国の文在寅大統領は、5月27日の記者会見で、朝鮮半島の非核化や、平和体制の構築のためには米朝首脳会談において非核化の具体策などを合意することが不可欠と強調した。
調整役の苦悩もにじませつつ、米朝間の不審を払拭するため全力を尽くすとしたのだ。
北朝鮮外交において一人蚊帳の外とされる日本政府は、北朝鮮に拉致問題解決の糸口を取り付けたいところだが、コトは簡単に運ばないと推測されている。
その根拠は、日本政府が韓国の慰安婦支援に10億円を拠出する慰安婦合意の交渉を行っていた2015年、北朝鮮外務省が「日本軍性奴隷被害者は北側にもいる」と主張した点だ。
米朝関係が改善に向かって国連の経済制裁が解除されれば、中国と韓国から投資が流れ込む。
むしろ、経済的不安が払拭された上、文大統領と手をも結んだ金正恩氏が、安倍首相に「拉致交渉の前に、日本はまず慰安婦に賠償金を払え」と、韓国と同等の請求を突きつけてくる可能性は十二分にある。
(参考:朝日新聞DIGITAL5月27日配信、JIJI.COM5月27日配信、週刊ポスト2018年5月18日号)